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2017/9/14 14:00

甲子園にたたずむ"小さな魔物"球児たちのドラマとはちょっと異質


小さな魔物?と戦いながら安打を放つ阪神・上本


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 甲子園には魔物がいる。

 野球が好きな人なら、1度でも聞いたことがあるだろう。高校野球ではよく聞く言葉だが、プロの世界ではそう言われることはあまりない。ただ、魔物といっても悪い意味ではなく、劇的な試合が展開されてドラマを生んだり、見る者を感動させるといった類の言葉だ。

 見当もつかない、予想だにしないことが起きるのが高校野球の魅力。「負ければ敗退」というトーナメント方式だからこそ、熱い戦いが見られる。球児自身も知り得ない底力を発揮し、プレッシャーに打ち勝った選手、チームが「魔物」を引き寄せるのだろう。

 実はプロの世界でも"小さな魔物"がいる。生で観戦したり、テレビ中継を見たことがある人なら、見覚えがあるかもしれない。選手が打席でタイムをかけて何かを追い払うしぐさをすることがある。一般の人も必ず1度は経験したことがあるだろう"アレ"だ。

 小さい頃、公園などで遊んでいると、頭の上に虫が付いてきたことはないだろうか。しかも大群で。よく見ると何匹もいる。特に襲ってきたりするわけではないが、どこか気にしてしまう。走って逃げても付いてくる。ところが「これを見て」などと言い、他の人のところまで行くと、その人の頭の上に移動する時もある。不思議な"アレ"。通称「頭虫」。調べると、正式名称は「ユスリカ」で、交尾のために頭の上で「蚊柱(かばしら)」が形成されているそうだ。

 よほど目がよくないと観客席からはその姿は見られないが、選手はその弊害に苦労している。梅野が教えてくれた。「バッターボックスだけじゃなくて、ベンチにもたくさんいる。みんな追い払ったりしてるし、気になるよ」。なぜか、寄ってくる「ユスリカ」。再び調べると、「近くて高いもの」を目印にして、蚊柱を作るのが習性だという。野球選手は基本的に背の大きい人ばかり。だから、格好の餌食なのだろう。

 今季、その件で目立ったのは上本。ある試合で2打席連続で追い払うしぐさを行い、観客をどよめかせたことがある。さらに直近の9月8日からのDeNA3連戦中では、西岡、福留も「ユスリカ」の餌食に。ただ、打者の場合はタイムを要求した後、気持ちを整えて自身のタイミングで打席に入ることができる。一方、投手の場合、投球モーションに入る直前でタイムがかかると、テンポを変えざるを得ない。

 一般的に「投手は繊細」と言われる。その「間(ま)」を嫌う選手も多いだろう。自然現象だから仕方がないことだが、それが原因でリズムが崩れ、突如乱れることもあり得る。それが試合の終盤、または、緊迫した場面なら…。甲子園にたたずむ"小さな魔物"が、劇的なドラマを生み出すかもしれない。(デイリースポーツ・山本真吾)

提供:デイリースポーツ

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